2011/06/22
「PCグラウトの塩分濃度が鋼材腐食に及ぼす影響」が、平成22年度プレストレストコンクリート技術協会賞『論文賞』を受賞しました。
 
受賞者 二井谷教冶(技術研究所)

PCグラウトは、PC鋼材を腐食から保護するとともに、部材コンクリートとの一体化を確保する重要な役目を担っています。筆者らは、含有塩化物イオン量の新しい規制値を策定するため、PCグラウトに含まれる塩化物イオン量とPC鋼材の腐食に関する実験を5年間にわたって行いました。その結果、鋼材腐食の発生は、含有塩化物イオン量と単位セメント量との比に依存し、腐食を安全に防ぐための塩化物イオン濃度は、単位セメント量×0.08 質量%以下で十分なことがわかりました。また、通常の使用範囲では、PC鋼材の応力度の大きさは、腐食性状に影響しないことも判明しました。この結果は、土木学会をはじめとする各種基準に採用されました。