所 在 地:藤沢市江の島
建築面積:1,156u
延床面積:1,338u
階 数:地上2階・塔屋2階
竣工年月:2003年4月
2003年 神奈川県建築賞
企画、基本、の設計責任者として参画
江ノ島の灯台は湘南に住む人だけでなく多くの人にとって思い出のある灯台である。かつて戦時中、落下傘の練習台であった構造体を移築して灯台としたのだという。航路のための灯台としての意義はもはや薄くなっているということでもあるが、この灯台がなくなっては江ノ島では無くなるという愛着の声も多い。しかし海風に洗われた鉄骨造の構造体、その老朽化ははげしく最早危険な状態である。
そこで、地域防災の拠点、情報基地、シンボルタワーと数々の役割を付加した新しい「江ノ島展望灯台」が計画されることとなった。当初土木設計チームだけで進められたこの計画に、デザイン性の重視という点で建築設計者が加わって計画の幅を広げた。世界のタワー、日本のタワーを調べ、構造的合理性はもとより、機能性の拡充、事業性の確立、見る人の印象に残る環境にあったタワーとはいかなるものか、など多角的に追求し、多くのシミュレーションの元に計画がすすめられた。
市、県の景観委員会の審議を経るだけでなく、一般市民の意見を組み入れながら最終案が決定された。
これを機会に周辺の植物園や遊園施設を含め,藤沢市と,江ノ電株式会社が、官民一体となって工事が進められている。2003年4月に完成した。